近畿産業信用組合の法人向け「きんさんビジネスローン」は、利用限度額が最大1,000万円の事業性ローンです。
担保は不要で、法人は1,000万円まで、個人事業主は500万円まで、白色申告者は200万円を上限に借りることができます。固定金利は保証料を含んで年5.80%で、融資期間は5年以内に設定されています。
この記事では、きんさんビジネスローンの対象者や、近畿産業信用組合での手続きに必要な書類、ビジネスローンのメリット・デメリットなどについてまとめました。
※追記予定
きんさんビジネスローンとは
近畿産業信用組合の法人・個人事業主向けのビジネスローン「きんさんビジネスローン」は、事業の運転資金や設備資金等の事業性資金調達を目的とした、ビジネスローン商品です。
「きんさんビジネスローン」の商品概要などについて下記にまとめました。
商品概要説明
近畿産業信用組合の「きんさんビジネスローン」の使い道は、運転資金や設備資金などの事業性資金であることが条件となっています。
無担保で借りることが可能で、法人は1,000万円まで、個人事業主は500万円まで、白色申告者は200万円の上限となっています。
きんさんビジネスローンの固定金利は年5.80%となっており、この融資利率には保証会社の所定の保証料も含まれています。
融資期間は5年以内、返済方法は「毎月元金均等返済」のみで、期日一括返済や、元利均等分割返済は取り扱っていません。窓口に相談すると、返済の試算をしてもらえるとのことです。
保証人・支払い方法等
保証人は、法人の場合は「代表者」で、個人事業主は原則不要ですが、保証会社が必要と認めた場合はこの限りではないとされています。
きんさんビジネスローンの支払方法として、設備資金の場合は原則として近畿産業信用組合より直接振り込まれるとのことです。
手数料は原則不要となっています。ただし、繰り上げ返済及び、条件変更などの場合は、近畿産業信用組合所定の手数料3,300円または5,500円がかかる場合があります。この場合の手数料5,500円は複数の条件変更の場合の手数料とされています。
また、きんさんビジネスローンの保証会社は「全国しんくみ保証株式会社」で、再保証の場合は株式会社オリエントコーポレーションとなります。
きんさんビジネスローンの利用対象者・業種
きんさんビジネスローンを利用できる業種は「日本標準産業分類の金融業」と「風俗営業法の許可対象業種」を除く「すべての業種」です。
下記に、法人・個人事業主別の利用対象者をまとめました。
法人
法人で「きんさんビジネスローン」を利用するためには、以下の条件を全て満たす必要があります。
- 近畿産業信用組合の組合員、もしくは組合員になれる方
- 近畿産業信用組合の営業エリア内に事業所・営業所がある中小企業で、2期以上決算を行っている方(個人開業からの法人化は、個人開業歴を含む)
- 直近の決算で債務超過がない
- 代表者の年齢が満25歳以上で完済時に75歳以下となる方
- 融資の返済額に見合う、安定した収入のある方
- 信用事故(ローンの延滞等)のない方
- 不渡り発生を含む銀行取引停止処分を受けていない
- 近畿産業信用組合所定の保証会社の保証が受けられる方
- その他、近畿産業信用組合の所定の要件を満たす方
個人事業主
個人で「きんさんビジネスローン」を利用するためには、以下の条件を全て満たす必要があります。
- 近畿産業信用組合の組合員、もしくは組合員になれる方
- 近畿産業信用組合の営業エリア内に事業所・営業所があり、2期以上の確定申告を行っている方
- 年齢が満25歳以上で完済時に75歳以下となる方
- 融資の返済額に見合う、安定した収入のある方
- 信用事故(ローンの延滞等)のない方
- 不渡り発生を含む銀行取引停止処分を受けていない
- 近畿産業信用組合所定の保証会社の保証が受けられる方
- その他、近畿産業信用組合の所定の要件を満たす方
近畿産業信用組合での審査に必要な書類
近畿産業信用組合での融資審査に必要な書類は下記の通りです。
- 本人確認資料
- 所得証明書
- 納税証明書
- 資金使途確認資料
それぞれ詳しく解説していきます。
1.本人確認資料
法人は、本人確認資料として発行から3ヶ月以内の商業登記謄本または印鑑証明書が必要となります。連帯保証人(代表者)の本人確認資料については、個人事業主と同様です。
個人事業主の場合は、官公庁が発行した顔写真付証明書(運転免許証、住民基本台帳カード、パスポート、在留カード、特別永住者証明書、個人番号カード等)のいずれか一つが必要となります。
原本を確認した上で、近畿産業信用組合には「写し」を提出します。
2.所得証明書
法人は、所得証明書として付属明細付の決算書を2期分用意する必要があります。
また、個人事業主の場合には、付属明細付の確定申告書が2期分必要で、法人・個人事業主どちらの場合も、税務署受付印のあるものを用意しましょう。
3.納税証明書
法人は、納税証明書として直近1期分の申告所得税の領収印がある領収証書(納付書)の写し、もしくは納税証明書(その3の3)を用意する必要があります。
また、個人事業主の場合にも同様の領収証書(納付書)の写し、または納税証明書(その3の2)を用意しましょう。
4.資金使途確認資料
資金の使い道が設備資金の場合には、資金使途が確認できる資料を要します。
また、上記以外でも保証会社が必要と認めた場合は、資金使途確認資料を提出するよう要求される場合があります。
ビジネスローンのメリット・デメリット
ビジネスローンは資金繰りの厳しい中小企業にとってメリットが大きい融資ですが、その反面デメリットも無視できません。
ビジネスローンのメリット・デメリットについてみてみましょう。
ビジネスローンのメリット
ビジネスローンのメリットは「他のローンと比べて審査基準が甘い」「融資が早く受けられる」「総量規制の対象にならない」「原則無担保・無保証で借りられる」という点が挙げられます。
そもそもビジネスローンは、銀行の融資が難しい中小企業向けの商品として誕生したという背景があり、金利を高くする代わりに審査基準を下げているという特徴があります。
また、ビジネスローンは融資が早く受けられることもメリットです。通常の融資の場合、銀行なら1ヶ月、信用金庫なら1~3ヶ月かかるところを、ビジネスローンの場合は、銀行でも3~5営業日、ノンバンクなら即日融資という所もあります。
また、賃金業法では「個人の借り入れは年収の1/3まで」という「総量規制」と呼ばれる規制があり、一般的な融資を受ける際に個人事業主の場合はこの規制が適応されてしまいますが、ビジネスローンの場合は総量規制も対象外となっています。
そして何より「原則として無担保・無保証」で受けられることがビジネスローンの最大のメリットではないでしょうか。
ビジネスローンのデメリット
ビジネスローンは、担保にできる不動産がない場合や保証人が見つからない場合などにとても便利です。
しかしその反面で、ビジネスローンは「金利が高い」というデメリットもあります。
通常の融資であれば1%を切る状況でもビジネスローンの場合は1%~14%が相場となっています。
短期で返済の見込みがある借入れの場合は良いですが、返済期間が長くなりそうな場合は利息だけで大きな額になってしまう可能性もあります。
またビジネスローンの場合、借入限度額も通常の融資より低く設定されています。
さらに、ビジネスローンで借り入れをすると、今後の融資に大きな影響が出てしまう可能性も否めません。特にノンバンクから借入れをしてしまうと、別の金融機関で融資審査を受ける場合に影響を受けてしまう恐れがあります。
その背景として審査する金融機関に「銀行や公的機関から融資を受けられなかった」企業とみられ、事業状況がよくないと判断されるからです。
ビジネスローンで借入れをする場合は、近畿産業信用組合のような信用ある金融機関にまずは相談してみることがお勧めです。
まとめ
以上が近畿産業信用組合の「きんさんビジネスローン」についてのまとめです。
会社の資金繰りが厳しい時に、原則無担保で借りることができるビジネスローンは中小企業の強い味方です。
ビジネスローンは様々な金融事業者が取り扱っていますが、やはり近畿産業信用組合のように信頼できるところにお願いするのが一番です。
近畿産業信用組合の営業エリア内で資金にお困りの法人や個人事業主の方は、一度ご相談をされてみてはいかがでしょうか?